太陽が月と睦む湖のほとりで、
その紅茶は育ちました
渋みの少ない、まあるい風味の台湾紅茶

太陽と月の物語

 「太陽と月が出会う湖」—— そう呼ばれる湖が台湾にあります。
日月潭 (Sun Moon Lake) 。その湖畔には、茶農園が広がっていて、台湾でも屈指の茶の名産地となっています。

 《太陽と月の物語》は、日月潭の湖畔・魚池郷にある茶農園で作られた、品質の高い紅茶です。

 私たちが契約している茶農園では、ティーバッグは茶葉を潰しにくい立体形状(テトラ型)を採用。1包あたりに茶葉3グラムと、一般的なティーバッグの量(2グラム)に比べて多めの茶葉を包装しています。
またティーバッグ本体にはトウモロコシ繊維を採用。生分解されるため、環境にも優しい材質となっています。

日月潭紅茶

 「台湾茶」と聞くとウーロン茶を思い浮かべるかたが多いかもしれません。
しかし台湾最大の湖「日月潭」を擁する「魚池郷」地域は、紅茶の産地として知られ、台湾アッサムをはじめ、台湾種の紅茶が生産されています。
台湾紅茶の風味は傾向として、渋みが少なく柔らかい口当たりで、一般的にイメージされる紅茶の味とはかなり異なっています。「紅茶があまり好みではない」という人でも一度お試しになる価値はあると思います。
特に紅茶として加工される台湾種の茶葉は、台茶8号、18号、21号などの品種です。
台茶8号はアッサム種を改良した品種で、台湾阿薩姆(アッサム)として出回っている紅茶はこれのことが多いようです。

紅玉

 台湾原生種とミャンマーの大葉種をかけ合わせた品種。品種番号は台茶18号。
「紅玉(ルビー)」という称号のとおり、紅茶に特化した茶葉です。
台湾紅茶を印象づけるスタンダードを築いた品種といえます。
「シナモンのよう」とも形容される、ハッカ系のほのかな芳香が特徴。

紅韻

 2008年に認可された、比較的新しい台湾紅茶。品種番号は台茶21号。
中国種のキームン(祁門)* と、インドの大葉種を交配した品種です。
称号の「紅韻」は、「幸運(鴻運)」の音に通じることに由来します。
「フルーティ」と形容される、ウーロン茶にも似た豊かな香りと、控えめな渋みが特徴。
キームンと較べ芳香がより深く、口あたりは爽やか。
台湾紅茶の集大成とも言える、完成された味わいです。

* キームン
 世界三大紅茶の1つとして、ダージリン(インド)、ウバ(スリランカ)と並んで称される、中国安徽省祁門県を産地とする高級茶葉です。
「祁門」は、キームン、キーマン、キーモンなどとカナ表記されます。

日月潭について

 日月潭(じつげつたん / にちげつたん)は台湾の南投県にある、台湾最大の湖です。台湾島の東西南北のちょうど真ん中あたりに位置します。
湖周辺の魚池鄉(ぎょちきょう)は、古くは清朝・康熙帝のころから茶の産地として知られていました。
紅茶の製造が盛んになるのは、日本統治時代の1930年代に日東紅茶の前身となる会社が、魚池郷にアッサム種が持ち込んでからと言われています。

 日月潭の名は、その文字のとおり「太陽と月の湖」を意味しますが、その由来にはふたつの説があるようです。
まず「太陽の湖と」、それに寄り添うような「月の湖」の2つの部分から構成されていたという説。
日本統治下の1934年に水力発電所が建設された関係で、以降の日月潭は水位が高くなったため、2つの湖の境目がわかりにくくなっていますが、たしかに1920年ごろの古地図を見ると南側に、どことなく半月を思わせる形の湖がつながっているのがわかります。

 もうひとつの由来は、清朝のころの記述に「水分丹、碧二色,故名日月潭(湖水は赤みと青みを帯びた二色に分かれていることから、日と月の湖の名を持つ)」とされています。

ロゴにこめた伝承「タクラハとヌマ」

 台湾島には、使う言語も違う少数民族が数多くいますが、日月潭の一帯は「邵族」が暮らす地域です。
邵族の神話に、彼の祖先がこの地・日月潭にたどり着き、定住を始めたときのことが語られています。

 日月潭は魚介が豊富で、住み着いた邵族たちは、その恵みを受けて生活していました。
日月潭には「タクラハ」という水の精霊の一族がいました。タクラハは長い髪を持つ半人半魚で、いわゆる人魚です。
あるときから、邵族たちが仕掛けた魚を捕る網が、タクラハによってことごとく壊されるようになり、魚を採れなくなった邵族たちは困り果ててしまいました。
そこでヌマという勇敢な青年が決起します。彼はタクラハを追い、数日に渡って戦いましたが決着はつかず。
ヌマはタクラハにたずねた。「なぜ我々の漁を妨げるのか? 魚が採れなくては我々は飢えてしまう」と。
タクラハはこう答えた。「あなたたちの仕掛ける網の目は細かく、まだ小さな魚やエビまで採り尽くしてしまう。このままではこの湖の生き物は滅んでしまうだろう」と。
それを聞いてヌマは自分たちに非があることに気づきました。
それ以降、邵族は目は細かい網を使わないことを決まりとし、子々孫々の習わしとしたと言われています。

 この民族伝承は、邵族とタクラハ=自然との共存の物語です。
近年、魚介類の市場は拡大し、それまでは文化的にあまり魚介を食べなかった国・地域でも消費されるようになって、水産資源の保護は国際的な問題になりつつあります。
タクラハとヌマの物語は、現代にこそ通じるものがあるように思います。

 私たちは、長い髪と魚の半身を持っていたという「タクラハ」をブランドイメージにしました。
網目模様は、邵族たちが資源を守るために網目の大きさ取り決めたことに因んでいて、自然との共存をあらわしています。

 嗜好品である茶を栽培すること自体が、そもそも人のエゴであって、自然環境には決して優しくはないことなのかもしれません。
気休めかもしれませんが、私たちが提携している茶園では、ティーバッグの素材に、トウモロコシの繊維を使うなどのこだわりを持っています。

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